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マウス実験の結果はヒトにあてはまるのか?【睡眠・生体リズムについて#4】

マウス実験のヒトへの応用

マウス実験の結果はヒトにあてはまるのか?【睡眠・生体リズムについて#4】

【はじまり】

みなさんこんにちは!
願いをかなえるニョイホウジュ!
私は 如意宝珠ごくう です。

 

このブログは、自分自身が寝不足だったり不眠だったりすることからはじまったブログです。
今回は、

病気の治療のために、病気を作り出すみたいな話でした。

睡眠についての生物学的基礎を私が学んだことを書いています。

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この記事の主な内容
  • 神経・生理心理学 第11回 より
  • 睡眠に関する最新研究動向
  • 個人の感想です
  • フォワードジェネティクスについて

 

睡眠に関する最新研究動向

筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(別名WPI-IIIS)の
柳沢正史教授
船戸弘正教授

2016年11月、
イギリス科学誌ネイチャーの論文に
睡眠・覚醒の制御に直接かかわる2つの遺伝子を発見した、と発表しました。

 

睡眠・覚醒の制御という難問

 

人を含むすべての生物がなぜ眠らなければならないのか?

 

睡眠・覚醒の制御は、神経・生理心理学における難問の一つとされてきました。

この睡眠・覚醒にかかわる遺伝子の発見で、
眠気とは何か?
睡眠障害の治療への突破口

となると考えられています。

 

フォワードジェネティクス

 

この研究成果をもたらした手法は
フォワードジェネティクス(順遺伝学)
です。

 

伝統的な科学は、仮説と検証のプロセスを経て治験を積み重ねます。
仮説を立て、その仮説を立証するために実験観察を繰り返し、実証する、否定することで普遍性の高い真理へとせまることが常識でした。

 

ところが、睡眠・覚醒のメカニズム解明というテーマは、意味のある仮説が立てられないほど謎は深いです。

 

そこで、
遺伝性が見られる形質、すなわち表現型から、その原因となる遺伝子を探り当てるフォワードジェネティクスという手法を採用しました。

 

筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構ができたこと

 

筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構ができたのは…
船戸弘正教授によると、
そもそも日本では睡眠研究が盛んでした。

 

海外のテキサス大学で、柳沢先生と櫻井武先生はオレキシンの発見とナルコレプシーの研究をしていて、その睡眠研究の積み重ねを受けて、さらに日本から海外に睡眠研究を発信するために、
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構
ができました。


睡眠と遺伝子の関係について研究をしています。

 

睡眠と遺伝子に関係があるのか?

睡眠に遺伝子は関係あるのでしょうか。

特定の遺伝子が変わると睡眠にならないこともあります。
また、一つ一つの遺伝子の作用はすごく小さいが、積み重なって作用する場合は、個人差の睡眠の差につながるということもあります。


代表的なモノは、オレキシンオレキシン受容体の機能低下はナルコレプシーの原因となります。

 

SNP(スニップ):DNAの塩基が別の塩基に置き換わったりして、違いとしてあらわれる。個々人には○○体質、××体質としてみられる要因の一つ


一人ひとりの遺伝子の細かい違いが、何万というデータの数が解析結果として出てきています。

そういったことからわかってきているのは…

睡眠、もしくは脳の機能を制御する遺伝子の微妙な違いによって、睡眠の長さが変わると分かってきています。


船戸弘正教授の睡眠にかかわる遺伝子の新発見


リン酸化酵素(SIK3)


睡眠に対して強い効果を及ぼすリン酸化酵素(SIK3)。


リン酸化酵素はタンパク質で、別のタンパク質にリン酸基というものを付けます。

リン酸基を付けると、
細胞の中で、シグナル、というメッセージを伝えていくような働きをします。


そのときに遺伝子が変わり、
まだ理由はわからないけど、
非常に睡眠が必要になってしまいます。

 

睡眠を長く、深くとらなければならないという状況になります。


陽イオンチャネル(NALCN)

 

睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠から成っていますが、レム睡眠が非常に短くなってしまったり、レム睡眠がブチブチに切れるような異常となる、遺伝子もあります。

陽イオンチャネルの異常です。

 

睡眠にかかわる遺伝子発見の手法

 

順遺伝学という手法は…
新たな遺伝性の疾患を作ってその原因遺伝子をみつける、です。

 

具体的には、
マウスを使って病気の家系を作ります。

現在の技術では、睡眠異常の遺伝子を見つけることは比較的簡単です。


実験のマウスから得た結果はヒトに当てはまるのか?

 

ナルコレプシーは昔から人の病気として知られていました。
直接、原因が特定できたのはマウスからです。


どのような疾患なのかという部分もありますが、

基本的に睡眠にかかわるメカニズムは、ヒトもマウスも共通しています。

そのため、マウス実験はヒトに応用できる、と考えられます。


睡眠研究のこれから

 

睡眠と覚醒は脳が行っています。
脳は様々な神経細胞ニューロン)から構成されています。
睡眠の量を決めている特殊なニューロンがあるのかどうかわかっていません。

 

ですから、リン酸化酵素(SIK3)が脳のどこで働くのか?を調べて、睡眠の量や必要性を決めているのかを明らかにしたいという船戸弘正教授でした。

 

 

【ごくうの感想】

睡眠にかかわる部分が共通しているため、

マウスの実験はヒトに応用されるという話をしていました。

 

順遺伝学というのはスゴイなと感心しました。

病気の治療方法を見つけるために、

遺伝子操作で病気の実験体を作り出して、調べるみたいな。


次回は 生体リズム についてです。

 

 

睡眠のテクニックをわかりやすく紹介しています。自分自身が寝不足だったり不眠だったりする経験からはじまったブログです。

 

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番組情報

2022年6月12日放送
神経・生理心理学 第11回

睡眠・生体リズムについて

解説
中央大学教授 高瀨堅吉


最後までご視聴ありがとうございました。
 thank you for watching