金縛りとナルコレプシーの特徴【睡眠・生体リズムについて#3】
【はじまり】
みなさんこんにちは!
願いをかなえるニョイホウジュ!
私は 如意宝珠ごくう です。
ところで
みなさんは金縛りになったことありますか?
私はあります。
不思議ですよね。
でも金縛りは霊現象ではなく
睡眠麻痺って言います。
このブログは、自分自身が寝不足だったり不眠だったりすることからはじまったブログです。
今回は、睡眠についての生物学的基礎を私が学んだことを書いています。
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この記事の主な内容
- 神経・生理心理学 第11回 より
- ナルコレプシーの特徴
- 睡眠の神経機構
個人の感想です
- 【はじまり】
- 睡眠の神経機構 網様体賦活系説
- 睡眠の神経機構に関する3つの重要な知見
- 睡眠障害について
- ナルコレプシーの特徴
- ナルコレプシーの原因判明
- 睡眠障害の不眠症
- 不眠症に対する薬物治療
- ベンゾジアゼピン系睡眠薬と耐性
- 薬物療法以外の不眠症治療法
- 【ごくうの感想】
睡眠の神経機構 網様体賦活系説
睡眠の神経機構については、諸説あるところです。
現在では
網様体賦活系(もうようたいふかつけい)説
が主流となっています。
網様体:網目状の神経線維が結んでいる脳幹の部位のこと
延髄、橋(きょう)、中脳あたりに網様体賦活系がある
覚醒と睡眠の調節に深く関わる
生命維持の中枢
賦活:機能を活発にすること
かつては「網様体内部の神経細胞が覚醒をもたらす」と考えられていました。
現在では、網様体周辺の細胞体がおくる軸索が
網様体賦活系を通り
視床や大脳皮質の神経細胞に影響することで覚醒状態を維持・調節すると考えられています。
軸索:神経細胞(ニューロン)からのびている部分、樹状突起ではないところ
睡眠の神経機構に関する3つの重要な知見
①睡眠は神経系の休止で起こるわけではない
レム睡眠中には活動性が上昇する神経もある
②脳内には睡眠促進回路が存在する
⇒脳活動が低下することが睡眠ではない
③睡眠にともなう種々の現象(眼球運動、筋肉の活動など)は分離不可能である
睡眠障害について
睡眠過剰症(ナルコレプシー)は、ヒポクレチン(別名オレキシン)を作りだす神経細胞が働くなるために起こる病気です。
ナルコレプシーは、日中に強い眠気に襲われて眠り込んでしまいます。
ナルコレプシーの眠気は強烈で、睡眠発作(sleep attack)と呼ばれます。
入学試験や顧客との商談中でも眠りこけてしまうくらいの眠気です。
「眠気が来たな」と自覚する前に眠り込んでしまうので、本人が居眠りをしたことに気づかないこともあります。
ナルコレプシーの特徴
ナルコレプシーの特徴には、ビックリしたり、大笑いしたときに、全身または体の一部のチカラが抜けてしまうカタプレキシー(情動脱力発作)があります。
また、
寝入りに出現する幻覚、入眠時幻覚や寝入り端に出現する金縛り(睡眠麻痺)があります。
ナルコレプシーの原因判明
近年、ナルコレプシーの原因が脳の中のオレキシンを作り出す神経細胞が働かなくなることで起こるとわかりました。
この神経細胞が働かなくなる遺伝子異常が、犬のナルコレプシーの血統から見つかりました。
また、同様の遺伝子異常を起こさせたマウスで、ナルコレプシーの症状が出現することがわかりました。
さらに、ナルコレプシー患者の脳脊髄液からは、オレキシンが消失・減少していることから確認されました。
まとめ
ヒポクレチン(オレキシン)は覚醒状態を維持する
睡眠障害の不眠症
不眠症の有病率は高く、4~5人に1人くらいです。
不眠長期化による抑うつ症状。
QOLの悪化。QOL:生活の質、満足度 quality of lifeの意
血圧上昇。
など心身への悪影響が報告されています。
不眠症は治療すべき症状としてその重要性が指摘されています。
誰にでも起こりえる不眠について、従来、神経症的な観点から説明されることが多かったのですが、最近では生理学的メカニズム、
認知における過覚醒傾向と熟睡感の障害の問題が重視されるようになっています。
過覚醒:ストレスで生体反応としての緊張がストレスが解除されても続く
急性ストレスを受けた時に不眠になることはあり得ます。
これが慢性化すると焦り・不安の増強となります。過覚醒傾向が生じます。
さらに、飲酒の増加、床上時間増加などの不適切な対応で悪循環となります。
不眠症のメカニズムを考える時に、以上の認知的側面に加えて、神経生理学的側面についても考える必要があります。
具体的には、
徐波睡眠に関連する
セロトニン神経系の機能変化。
視床下部、下垂体、副腎皮質系の機能亢進による、夜間のコルチゾール分泌量の上昇。
さらに、覚醒系に関与するヒスタミンを含む後部視床下部に存在する結節乳頭核の細胞群の活動亢進。
そしてオレキシン神経系の活動亢進による覚醒成分の上昇が不眠症の生物学的基盤と考えられています。
不眠症に対する薬物治療
不眠症に対する薬物治療としては
ベンゾジアゼピンないし、そのアゴニスト(神経伝達物質やホルモンと同様の機能を示す薬)の薬剤が第一選択となっています。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬と耐性
ベンゾジアゼピン系睡眠薬の作用機序は、
脳内のGABAA受容体(ギャバエー)のベンゾジアゼピン系薬物結合部位に結合して、
塩化物イオンの
細胞内侵入を促進。
細胞の興奮を起こりにくくすることにあります。
ベンゾジアゼピン系薬物結合部位は、
オメガ1からオメガ5に分類されます。
睡眠薬のほとんどは、オメガ1、オメガ2に結合されます。
オメガ1は脳全体に分布
特に小脳、淡蒼球、大脳皮質
に高密度。
一方、オメガ2は
大脳辺縁系
脊髄
に多く分布しています。
現時点ではオメガ1は、催眠・沈静に。
オメガ2は、抗不安作用、筋弛緩作用に関係していると考えられています。
睡眠薬ではオメガ1選択性の高い薬剤が治療薬として選択される機会が比較的多いです。
そしてこのメカニズムから、ベンゾジアゼピン系睡眠薬は緊張・不安の抑制作用もあるのです。
このベンゾジアゼピン系睡眠薬は耐性ができやすく、その結果さらに多くの睡眠薬を処方した場合、不眠症が悪化することもあり得るのです。
医師の薬によって引き起こされる不眠症、「医原性の不眠症」と呼びます。
医原性:患者の治療のために行った医療行為が新たな疾患を引き起こすこと
最近では、ベンゾジアゼピン系睡眠薬より副作用の少ない、オレキシン受容体の拮抗薬であるベルソムラが流通されています。
薬物療法以外の不眠症治療法
不眠症の治療としては、薬物療法以外に、近年、認知行動療法の重要性が強調されています。
認知行動療法 Congnitive Behavioral Therapy:CBT
認知行動療法では、不眠を先鋭化させている悪循環の要因となっている生活習慣と認知パターンを修正させることで問題を解決するものです。
認知行動療法を実施する場合は、不眠症患者の現在の症状・状況等、行動パターンについての機能分析を十分に行ったうえで、心理教育、睡眠衛生指導、リラクゼーション、そして眠れなくなったら、寝床を離れて、眠気が出てきてから寝床に戻る刺激制御法。
さらに、眠れなければ寝床の上で過ごす時間を切り縮める睡眠制限療法を含めた、睡眠スケジュール法。
そして睡眠に対する思い込みが行動気分にどのように影響を及ぼしているのかを明らかにし、悪循環から離れるように気づかせていく認知行動療法を組み合わせたパッケージを用いて治療を行うのが一般的です。
【ごくうの感想】
次回は 睡眠に関する最新の研究動向 についてです。
睡眠のテクニックをわかりやすく紹介しています。自分自身が寝不足だったり不眠だったりする経験からはじまったブログです。
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ごくうが気になること108選
番組情報
2022年6月12日放送
神経・生理心理学 第11回
睡眠・生体リズムについて
解説
中央大学教授 高瀨堅吉
最後までご視聴ありがとうございました。
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